004:世の中の流れ ―新しい「住まい」「住まい方」の国の考え―

2016.07.19
低炭素社会に向けた「住まい」と「住まい方」の国の考え

社会全体が大きく変わろうとする時代を反映して、住宅業界においてもネット・ゼロ・エネルギー住宅(ZEH),ライフサイクル・カーボン・マイナス(LCCM)住宅、HEMS(エネルギー制御システム)、スマートハウス、スマートグリッド 等々 様々な目新しいカタカナ用語や横文字が飛び交いお施主様も戸惑う事が多いのが現実です。(スマートハウス、ZEHは 住宅コラム025以降参照)

平成24年度以降、時代の変化にあわせ国土交通省をはじめ省エネ性向上に向けた様々な法律・告示改正などが相次ぐと思われますが、省エネ政策の全体像を捉えるのはなかなか容易でないのが現実です。

そのような中、国土交通省の「低炭素時代に向けた住まいと住まい方推進会議」のロードマップが発表されています。ロードマップから「住まい」と「住まい方」に今後の住宅政策を検討したいと思います。

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このロードマップは大きく「住まい」と「住まい方」の2点から
政策を考えています
つまり、住宅の「ハード」と「ソフト」から、住宅を見直していこうという考え方です

① 「住まい」

「住まい」に関していえば、「省エネ性能の向上」と「技術者・体制等の整備」に大きく分けられます。

「省エネ性能の向上」については、1次エネルギーの消費量の低減を目指すために、次の項目を評価対象にしています。

・創エネ性能(太陽光等)

錙外皮性能(断熱・日射取得等)

錢設備性能(空調・給湯・照明等)

国は省エネ住宅を建てるには、上記の3つの分類から技術的な水準の目安を作り、住宅性能評価で省エネ住宅の一定以上の工事水準のゼロエネルギー住宅を認定することで、省エネ住宅の促進が図れることを目指しています。

2020年には住宅のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス=省エネと創エネをすることで住宅のエネルギーバランスをゼロにする住宅)を標準的な住宅とし、既存住宅の省エネリフォームを現在の2倍の増加し、さらに2030年には新築住宅の平均でZEHを達成したいと考えています。

ここで重要なのは、これらの性能を担保するために、評価・表示という手法を取るということです。これは、住宅性能表示・長期優良住宅という国が進めてきた住宅政策とまったく同じ手法です。

つまり、住宅性能表示の基準を改正し、省エネ関連の効果を数字で評価することで、省エネの効果を確認するという手順です。

住宅性能表示は住宅コラム005以降、長期優良住宅は住宅コラム012以降で説明しますが、もうこれからの時代の住宅は、簡単に言えば、「断熱しています」「太陽光ついています」的な単品の商品の有無では全く住宅の価値は認められない事になり、総合的に国の評価基準を満たすノウハウと技術が無ければ時代遅れになるという事です。

ロードマップにある「技術者・体制等の整備」とは、このような時代背景から対応の遅れている中小工務店に対し技術的な支援をしていこうという政策です。

現状では努力義務程度ですが、今後は届出義務 最終的には適業義務となっていく事が予想され、お客様にとっては良い事であると思われます。

② 「住まい方」

「住まい方」とは、「住まい」の改善がされに効果を上げるには住む人の意識を向上も必要との観点に立って、住まい方・使い方の「見える化」の促進を目指しています。

つまりは、省エネに伴う快適性・健康性などの便益を、実エネルギーの消費量として「見える化」できるようにしようと言う事です。

このためには、スマートメーター(電気メーターの次世代タイプ)の普及と、スマートメーターと連携したHEMS(ハウス・エネルギー・マネイジメント・システム)の技術が重要であり、周辺機器をふくめた技術革新と商品化が必要です。

現時点では商品化はまだまだの感がありますが、HEMS導入に関する補助金制度を実施することで、商品化の後押しが図られています。

ハウス・ラボは国の政策に歩調を合わせた「住まい」を作り、
「住まい方」を提案します

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