長期優良住宅の基準変更

2022.03.05

社長の小池です。

 

今日のブログは、ちょっと難しい話になりますが最後まで宜しくお願い申し上げます。

 

ロシアのウクライナ侵攻以来、原油や天然ガスが高値をつけていますが、この値上げ傾向は戦争が直接的な原因というより、戦争以前から起きていた兆候が一層顕著になったというのが正しい認識のように思われます。

原料生産国や消費国の利害や思惑 更にコロナの影響も有りエネルギー価格の上昇は進んでいたと言えます。

原発や化石燃料は否定され自然エネルギーを使えという国際世論はありますが、コストや総エネルギー生産量を考えるとそんなに簡単に自然エネルギーに転換出来ないのがのが現状です。

エネルギー問題は、我々世代の悩ましい喫緊の課題といえます。

 

昨年、菅総理が2050年カーボンニュートラルの実現を世界に宣言しました。

(カーボンニュートラル:CO2をはじめとする温室効果ガスの排出量から吸収量を差し引いた合計をゼロにする)

 

この宣言とは別に、国土交通省・経済産業省・環境省は温室効果ガスの発生を抑える為、温室効果ガス発生抑制が遅れている住宅に対し、住宅の断熱性能の強化と省エネルギーの推進を図ってきました。

具体的な政策は2点

①住宅の断熱性能の数値化と高断熱の推進

②エネルギー削減率の数値化と省エネ推進

となります。

 

国土交通省は2000年に、それまでは全国的な基準のない住宅に「住宅性能表示」という建築基準法とは違う住宅の性能を数値化した基準を定めました。

更に、「住宅性能表示」の中の4項目に絞って数値を達成した住宅を「長期優良住宅」と認定する事としました。

この制度は義務ではない為、全国的の住宅会社で「長期優良住宅」を標準仕様としている会社はけっして多くは有りませんが、自社基準が良いか国の定めた基準が良いかの判断の中で、

太平ハウス・ラボは、全棟長期優良住宅を標準としています。

 

個人的な感想として、阪神大震災や東北大震災等の大きな震災が続き、住宅政策で地震対策が大きなウェイトを占めていた印象があります。

が、ここに来て経済産業省や環境省を巻き込んだエネルギー政策から見た住宅の性能アップにウェイトが移っているようにも感じます。(世界のエネルギー政策と連動)

 

日本の住宅政策の流れの中で、3年後の2025年4月に「省エネ基準適合義務化」が実施されます。

具体的には、断熱性能を「外皮平均熱還流率=UA値」であらわし、全国を8つの地位に分けその地域区分に数値が設定されているのですが、

その数値を超える新築住宅は認められなくなります。

UA値とは、「床・壁・天井・窓」から逃げていく熱量を外皮全体で平均した数値です。(数値が小さくなれば性能が良くなります)

富山は、5地域に分類され、UA値は 0.87W/㎡Kとなります。

従って、2025年4月からはUA値が0.87W/㎡K以下の住宅をつくる必要が生まれます。

 

優良な住宅を作る事を目的とした「長期優良住宅」は、「断熱等級4 UA値0.87」を以前から適用基準としていました。

今回「断熱等級4 UA値0.87」の上に「断熱等級5 UA値0.60」の基準が発表されました。(経済産業省主導の、所謂ZEH基準に相当します)

そして「長期優良住宅」は、2022年10月からこの「断熱等級5 UA値0.60以下」が適用基準となります。

2025年の「省エネ基準適合義務化」の3割以上の厳しい断熱性能条件が、今年から採用されることになります。

 

更に、「長期優良住宅」は住宅の省エネルギーの性能を示す「一次エネ等級6 BEI≦0.8」を新規に設定しました。

基準の0.8以下の省エネ性能をもった設備機器の設置が義務付けられたことになります。

 

この流れは、最近の資材高騰と共に住宅の原価アップに直結する基準になります。

 

しかし、当社の住宅はここ数年断熱性能アップと省エネルギー化を進めてきましたので、今回の「長期優良住宅」の基準変更は既にクリアした水準となっています。

従って、長期優良中住宅の基準アップによる販売価格の転化は有りません。どうぞ ご安心ください。

 

何れにしても、住宅の省エネの流れはこれからもどんどん厳しくなる流れにあります。

住宅は一生一度の買い物。

デザインとコストのバランスと、これからの省エネ時代を見越した住宅づくりが大事と思います。

これからも、長期優良住宅の太平ハウス・ラボ 宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 


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